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EVENTS

第八回 食べて見て座談会

■開催概要
主催:Washoku Lovers
日時:2023年2月27日(月曜日)14時〜16時
会場: Hideo Dekura Cooking Studio


昨年9月に新しくご着任された徳田在シドニー総領事の公邸料理人である小寺博文氏をゲストシェフとしてお迎えしました。

ゲストシェフとしての公邸料理人のご参加は初めてで、イベント自体も再開初回ということもあり、イベント前に小寺シェフをはじめ領事にもご参加いただき事前の打ち合わせも念入りに行われました。

当初、小寺氏はご自身のモットーである『料理に決めつけは好きではない、もっと美味しくする方法はないか常に探求したい』という志の元、大衆魚を使って高級料理店でも提供することが可能な技術を皆さんに披露したいという思いでいらっしゃいました。そこで材料は日本から輸入している秋刀魚をと考えられていましたが、オーストラリアで手に入るローカル魚を題材に考えよう!という出倉先生のご意向の元、南洋金目鯛のメニューをご考案いただきました。

桜井光春 氏(Musumeci seafood)からは、イベントで使用する南洋金目鯛をご協賛、イベントにもご参加いただきオーストラリア市場に出回る金目鯛についてお話しいただきました。

JFC社の皆川様には、青森県の青天の霹靂という日本米をはじめ他調味料や材料などのご協賛をいただき、イベントにもご参加いただきました。
Sakelier社のThomas氏からは3種類の一押し日本酒をご協賛、イベントでは各日本酒のご紹介、小寺シェフが作るお料理に合わせてペアリングをしていただきました。

 

小寺氏はVIPをおもてなしされる公邸での調理において現地で調達できる良い食材を仕入れることは重要であるため、イベントを通じて出会うことができた各社とは今後良いお付き合いができればとお話しされていらっしゃいました。

今回のイベントでは、以下のシェフの方々にご出席いただきました。
安藤健治 氏(Yakiniku Matsusaka)
中村雄太 氏(Gold Class Daruma)
丸山伸朗 氏(My zakaya)
切替学 氏(Sushi Waka Manly)
中谷和人 氏(Osaka Bar Sake & Dining)
吉岡圭志郎 氏(Osaka Bar Sake & Dining)
Hsiang Chen 氏(Osaka Bar Sake & Dining)
石田和史 氏(Toriciya)
池田惠子 氏(Soramame)
加納博文 氏(BESUTO Sydney)
また、シドニー日本国領事館から松田領事にご参加いただきました。

出倉先生より久しぶりのイベント再開について、なぜこの会を継続されていきたいかというお話をいただきました。日本国外で日本食文化を啓蒙することにおいて、現地の料理人の志と技術はとても大切な意味を持ちます。1ヶ月に1度こうして同志で集い、勉強をすることは料理人個人の技術向上のみならず、オーストラリア市場全体の日本食レベルを底上げする意味でも大切だと考えています。

キッチンに移動してからは、小寺氏が調理をする姿を囲みながら皆さんで意見交換をしました。南洋金目鯛を使って、魚の鮮度を保つ保存の方法、脱水させる方法、また温度を常温にすることから始まる調理過程をフレンチ調理経験などを交えながらお話しされました。参加者のシェフからは、なぜ尻尾を落とすのか、なぜ塩水では洗わずに塩を振るのか、また包丁についてなど興味深い質問が飛び交いました。

南洋金目鯛を使って、焼き浸しと椀物を作られた小寺氏。こちらのお出汁は南洋金目鯛の頭を使って作られました。焼き物では、下拵えした南洋金目鯛を金串に刺して炭火焼きをしました。皮をパリパリに焼き上げるために、串打ちにも工夫をされる旨をお伝えされました。

 

お椀には昆布と一緒に酒蒸しにした南洋金目鯛を使って、鰹のお出汁で仕上げられました。参加者の方からは、出汁がとても美味しい!という声が多数上がっていました。

 

「青天の霹靂」という日本米を初めて食べたシェフも多く、これはどこのお米かと興味深そうにJFC社の皆川さんに尋ねられる姿も目立ちました。美味しい日本米がオーストラリアでも手軽に手に入ることはシェフにとって、大変喜ばしいことのようです。

試食しながら皆で座談する時間は、様々な情報を交換します。今回は出席者が多いこともあり、2つのテーブルに分かれてしまいましたが、それぞれのテーブルで興味深い話が飛び交っていました。

 

現在勢いのある日本食レストランでは、日本人ではないシェフが驚くほど美味しい日本食を作っていると感じられているようです。日本人はそのバックグラウンドだけで当然のように日本食を作れるのに対し、日本食を一から学んで修行をしている外国人シェフは日本食調理において継続的に貪欲で常に勉強をしているという見解もあるようです。今回協賛いただいた日本酒のSakelierのThomas氏をはじめ、日本酒もまたバックグラウンドに関わらず啓蒙に努めている姿が目立つという話もありました。ローカルのお店では、シェフにも日本酒の知識をつけさせるためにコースに通わせるなどの教育体制も整いつつあるという話もありました。

日本旅行へ行く人が増え、オーストラリアで日本食レベルが上がるにつれて、日本食レストランが提供する質に期待がかけられているのは市場の実態のようです。またその中で、シェフが常に技術と知識をアップデートし続けることは、この食べて見て座談会の目指すことでもあります。今後もオーストラリアで活躍するシェフの方々にとって、毎月通えるお勉強の場として会を継続していければと思っています。

次回予告

間もなくオープンするOsaka Bar Sake & Diningのオーナーシェフ中谷和人氏がゲストシェフとして登壇されます。
日時:3月27日(月曜日)午後2時〜
参加費:30ドル
ご興味がある方はぜひ一度ご出席ください。レストランに所属されていなくても、シェフとしてご活動されていらっしゃる方であればどなたでも大歓迎です。
皆様のご参加をお待ちしております。


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